認知症サポーター養成講座② 「認知症の症状」

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認知症の症状

目次

  • 認知症の症状って?
  • 中核症状とは?
  • 周辺症状・BPSDとは?
  • 記事の最後に
  • あわせて読みたい記事

前回は認知症の基礎についてお話しました。

今回は、認知症の症状、特徴についてお話して行きます。

実際に認知症サポーター養成講座でお話している内容ですので
なかなか講座を受けられないなあという方には
ぜひ、読んでいただきたいと思います。

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認知症の症状って?

  • 記憶障害見当識障害理解・判断力の低下実行機能の低下などの中核症状
  • うつ状態や妄想のような精神症状や、日常生活への適応を困難にする行動上の問題が起こる、周辺症状があります。

中核症状とは?

記憶障害見当識障害理解・判断力の低下実行機能の低下などの中核症状により、現実を正しく認識できなくなります。
こちらは、脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状になります。
治りにくい症状です。

記憶障害見当識障害理解・判断力の低下実行機能の低下についてまとめていきます。

記憶障害

記憶障害

若いときは
重要な情報もすばやく、しっかり覚えて保存し、関心のある情報もキャッチします。

成人は
若いときに比べて、大切な情報も覚えますが、少し手間がかかります。
関心のある情報も、すべてキャッチしきれなくなります。

認知症の方は
大切な情報を覚えられず、関心のある情報、新しい情報をキャッチできません。
しかし、昔の記憶は覚えています。

認知症が進行すると
覚えていた情報までも忘れていってしまいます。

物忘れと記憶障害の違い

「昨日のお昼何食べたっけ?」…物忘れ
「昨日お昼ご飯食べたっけ?」…記憶障害
記憶障害は行動そのものを忘れてしまいます。

物忘れ記憶障害
食べたもの食べたこと
旅行先旅行に行ったこと
孫の名前孫の存在

見当識障害

見当識障害

そもそも見当識って?

見当識(けんとうしき)とは、現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど基本的な状況を把握することをいいます。

見当識障害とは?

『時間』や『季節感』『場所』や『方向感覚』
自分の置かれている状況を理解する力が低下します。
時間」、「場所」、「人の順番」で
低下していきます。

自分の年齢・家族の年齢
日にち、曜日

ご近所でも道に迷ってしまう。
更に進行すると・・・

自分の年齢や周囲の人の関係も分からなくなり、自分の子供に「おかあさん」と呼びかけてしまったりすることもあります。

理解・判断力の低下

acworksさんによるイラストACからのイラスト 

認知症になると、ものを考えることにも障害が起こります。

  • 考えるスピードの低下
  • 2つ以上の事が重なると同時に行えない。
  • 予定以外の出来事に混乱しやすくなる。
  • 詐欺被害などの危険
  • 時間をかければ自分なりの結論に至ることができます。
    急がせないことが大切です。
  • 必要な話はシンプルに表現する 。
  • 夫の入院で混乱してしまったことをきっかけに認知症が発覚する場合があります。
  • セールスマンの口車にのって高価な羽布団を何組も買ってしまう。

目に見えないメカニズムが理解できなくなるので、自動販売機や交通機関の自動改札、銀行のATMなどの前ではまごまごしてしまいます。全自動の洗濯機、火が目に見えないIHクッカーなどもうまく使えなくなります。

実行機能障害

ぴかちゃんさんによるイラストACからのイラスト 

実行機能って?

かんたんにいうと、
目標を設定し
計画を立て
実行
進行具合から効率化調整を計る
一連の活動を行うこと。

計画的に行動できなくなる

夕食の味噌汁の具材を買う為、スーパーへ。
お家の冷蔵庫には油揚げが残っています。
スーパーで大根を見かけました。
健康な方と、認知症の方の行動の違いを見てみましょう。

スーパーで買い物
acworksさんによるイラストACからのイラスト 
健康な方認知症の方
冷蔵庫に油揚げが
あること
覚えている忘れている
買ったもの大根のみ大根と油揚げ
さっき
買ったものを
覚えている忘れてしまう
味噌汁の具大根、油揚げ冷蔵庫を開け
目に入った物
冷蔵庫に
大根と油揚げが…
残らず使用残ってしまい
同じものが
複数ある。

「できないから、やらせない」じゃない!

認知症の人は「なにもできなくなった」わけではありません。
周りの方の目配りや、ちょっとした一言で、今まで通りに食事の準備もできます
手助けをしてくれる人がいれば、その先は自分でできるということがたくさんあります。

周辺症状・BPSD

周辺症状・BPSD

周辺症状とは?


うつ状態や妄想のような精神症状や
日常生活での行動上の問題が起こる。

「性格」
「環境」
「人間関係」など

さまざまな要因がからみ合って起こる症状です。

認知症の人は、ときとして周囲の人が予測しない、思いがけない感情の反応を示します。

たとえば「そんな馬鹿な!」という言葉を、その場の状況を読めずに自分が「馬鹿」と言われたと解釈してしまい
「馬鹿とはなんだ!」と感情をあらわにしてしまいます。

認知症の人の心理・行動がわかっていれば、本人にとっては不自然な感情表現ではないことを理解できます。

これらの症状は
認知症の進行によって悪化するばかりでなく、
周囲の人の不適切な対応によって悪化します。

逆に言えば
認知症を正しく理解して、適切に対応することで、進行を抑制し、改善できます。

具体的には

失敗を責められて…

f:id:iwatako:20190506203254p:plain

自信をなくす

意欲がなくなる

将来に不安を感じてうつ状態になる。

失くし物が多くなって…

物盗られ妄想

「*物盗られ妄想

他の情報と混ざり、混乱。

より、複雑な妄想。

物盗られ妄想

介護の現場で入居者様に泥棒扱いされてしまうっていうのは悲しい


自分でしまった場所を忘れているのだが、盗まれたという妄想をしてしまうこと。

「あんたが盗ったのわかってるんだよ!」と自分の子供にあたってしまう。
よくお世話をしている援助者に対して現れることが多いと言われています。
「大切な親のものを盗るわけないでしょ…」と本当に悲しい…一番心を痛めるのではないかと思います。

私は、以前働いていた施設で物盗られ妄想を訴えられた経験をしましたが、なんとも言えない悲しさがこみ上げました。

このような場合は、いっしょに探して差し上げるのが一般的な対応。
間違いではないですし、おそらく介護系の試験なんかではこれが正解とされる。
ですが、その場しのぎみたいな対応ですよね。

理想を言えば、
「その方の性格や、生活歴を知り、何がきっかけで、いつ、どんなときこのような状態になるのか?を知り、多角的に見て、多職種、ご家族様と協力して、解決していくこと。」
なんですよね。

情報の収集には、センター方式というツールを活用します。

「あなたの嬉しい」を考えられると「利用者様の嬉しい」も考えやすくなると思う。 センター方式を活用して『その方のらしさ』の情報を集めるという話し。

記事の最後に


認知症ケアって多職種も巻き込むし、そもそも1人では解決できないことのほうが多いと思います。

そう考えると、認知症ケアでご家族の方が1人で悩んでいてもそうそう解決できるものではないということです。

1人でやろうとするから、悩んでしまうし、ストレスになってしまう。
そのストレスは、相手に伝わってしまう。

認知症の方って、言葉以外の、表情や、感情も敏感に捉えるんですよね。
なので、さらに症状を悪化させてしまい
介護者はさらにストレスの渦に巻き込まれ、負のループにしかならない。

もし、家庭内で、誰にも相談せずに、悩んで
心も身体も、「もうダメだ…」と思っている方がいたら、誰かに相談してください。

なんのゆかりもない近くにある介護施設でもいいですよ。

いきなり行って大丈夫?変な人と思われない?
と思われているなら、心配しないでください。

相談に乗ってくれるはず。

「世の中、ろくでもないけど、棄てたもんでもない」

もし、すごく悩んで、誰かに話したけど
相手にしてもらえなかったって方が、私の記事を見て
まだ、困っていたら、相談してください。

「私自身、特別すごい人間じゃないけど、困っている人は助けたいし、悩んでいる人の支えになりたい。」

「私も困ったり、悩んだりして、その度誰かに助けてもらって、支えてもらってきました。それは今も変わらないです。今も家族や、たくさんの同僚、仲間や、友人、上司に支えてもらっています。」

北海道でも、九州でも、沖縄でも一言もらえればどこにだっていきますから

「 何もしなきゃ 昨日と同じ明日しか来ない

一歩だけでも、進んでください。
一歩進めば、物事は変わる。

認知症サポーター養成講座からちょっと脱線しちゃいましたね。
続きは
認知症サポーター養成講座③で

参考資料:厚生労働省:政策レポート(認知症を理解する)

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コメント

  1. 介護の【下痢と便秘】の要点まとめ 介護福祉士国家試験対策 | 介護福祉士 華珠,blog より:

    […] 認知症の方だと、BPSDに関わってくることもあります。 […]

  2. […] 中核症状・BPSDについてもう少し知りたい方はこちらも参考にしてみてください。 […]

  3. […] と、いづれも認知症の中核症状なので、今後の試験では別の中核症状の特徴について問われると思いますので中核症状、必ずおさえておいてくださいね! […]

  4. […] 中核症状とは認知症であれば誰にでも現れる症状のことで次のような特徴があります。 […]

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