抗認知症薬は症状の進行を完全に止めることが○○○○

介護福祉士過去問題

2021.09.08 2021.09.03

こんにちは介護福祉士の華珠，です。
抗認知症薬についての問題が

第31回介護福祉士国家試験「認知症の理解」
第32回介護福祉士国家試験「認知症の理解」

で出題されています。

第33回介護福祉士国家試験の「認知症の理解」には
出てきていませんが
31回、32回と続けて出ているので
第34回介護福祉士国家試験に出てくる可能性は高い！

ですので、しっかりおさえておきましょう！

まずは、第32回介護福祉士国家試験に出てきた問題に挑戦してみましょう。

学習の初めで、最初は分からなくて当然です！

間違ってもいいので、少しだけ考えてみて
でも、考えすぎずに

すぐに解答を見てしまいましょう。

くり返し解く事で必ず身につきますよ！
それでは問題に挑戦しましょう！

第32回　介護福祉士国家試験　問題82

抗認知症薬に関する次の記述のうち，正しいものを 1 つ選びなさい。

1　若年性アルツハイマー型認知症には効果がない。
2　高度のアルツハイマー型認知症には効果がない。
3　レビー小体型認知症には効果がない。
4　症状の進行を完全に止めることはできない。
5　複数の抗認知症薬の併用は認められていない。

解答

4　症状の進行を完全に止めることはできない。

アルツハイマー型認知症などの変性性認知症を完全に治す治療法はまだありません。
そこで、できるだけ症状を軽くして、進行の速度を遅らせることが現在の治療目標となります。
治療法には薬物療法と非薬物療法があり、これらを組み合わせて治療を行います。
厚生労働省HP　より抜粋

これはみなさんすぐにお解かりになったかと思います。
認知症の進行を抑える為のお薬だということです。

結構簡単だったので、バカにしてるの？と
思われた方には申し訳ないのですが
そんなつもりは全くありません！

ここで考えていただきたいのは
その他の選択肢が間違っていて
その逆が正解だということです。

今後の試験に備えて
ここをおさえておく必要があると私は思います。

何言ってるんだろう？？って感じかもしれないので
つぎは他の選択肢を見ていきましょう。

その他の選択肢について

1　若年性アルツハイマー型認知症には効果がない。
→若年性アルツハイマー型認知症にも効果がある。

2　高度のアルツハイマー型認知症には効果がない。
→高度のアルツハイマー型認知症にも効果がある。

3　レビー小体型認知症には効果がない。
→レビー小体型認知症にも効果がある。

5　複数の抗認知症薬の併用は認められていない。

→複数の抗認知症薬の併用が認められている。

ということになります。

同じ様な問題が今後試験に出てくる可能性は高いので
出題された時に役に立ちますね！

私が調べられた範囲で根拠を見て行きましょう。

若年性アルツハイマー型認知症への抗認知症薬の効果

若くても、脳血管障害やアルツハイマー型認知症のために認知症を発症することがあります。
65歳未満で発症した認知症を若年性認知症といいます。
若年性認知症者数は、3.57万人と推計されています。
厚生労働省HP　より抜粋

また、若年性認知症ガイドブックには、認知症の治療薬についての記載があるので
効果があるという事が分かります。

高度のアルツハイマー型認知症への抗認知症薬の効果

このデータの対象は中度～高度の方で
グラフを見ると改善が見られている事が分かりますね。

レビー小体型認知症への抗認知症薬の効果

アルツハイマー型認知症の中核症状に対しては
塩酸ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミ、メマンチンに
改善効果があることが認められています。

レビー小体型認知症では、塩酸ドネペジルのみ保険適応が認められています。

しかし、これらの薬剤の効果は一時的で、認知症の進行を完全に抑えるものではありません。

血管性認知症に効果がある薬剤は今のところ存在しませんが
脳卒中の再発予防のために高血圧などの生活習慣病の治療が不可欠です。
厚生労働省HP　より抜粋

つまり、レビー小体型認知症にも
一時的ではあるが効果があるということですね。

複数の抗認知症薬の併用

「薬物相互作用に注意すること」と

あるので、認められてはいるようですが
相互作用に注意が必要だとわかります。

最後に

問題としては簡単だったと思いますが
問題を通じて私自身が感じた事は
抗認知症薬について、意外と知らなかったなあ
ということ。

今回の問題を機にみなさんも
興味をもってくださると嬉しいです。

また、「認知症の理解」に自信が無いなあ
という方は、かんたんにまとめた記事もありますので
よろしければのぞいて見て下さい。