
2018年5月から9月までの全国の熱中症による救急搬送人員は9万5,137人となり、調査期間を現在の5月から9月に改めた15年以降では過去最多を更新した。
消防庁は6月13日、映画「トイ・ストーリー4」(7月12日公開予定)とタイアップした熱中症の予防啓発ポスターとリーフレットを作成 。
熱中症に関しては、介護福祉士国家試験問題にも関わりますので、まとめて行きます。
熱中症についての目次
・症状
・予防
・対応
・過去問題
(第28回介護福祉士国家試験より)
熱中症
「熱中症」は、高温多湿な環境に長くいることで、徐々に体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態。(脱水)
屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、救急搬送されたり、場合によっては死亡することもある。
熱中症患者のおよそ半数は65歳以上の高齢者です。高齢者は暑さや水分不足に対する 感覚機能が低下しており、暑さに対するからだの調整機能も低下しているので、注意が必要です。
症状

○めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、気分が悪い
○頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、いつもと様子が違う
○返事がおかしい、意識消失、けいれん、からだが熱い
熱中症予防
予防のために暑さを避ける
室内では

- 扇風機やエアコンで温度を調節
- 遮光カーテン、すだれ、打ち水を利用
- 室温をこまめに確認
外出時には

- 日傘や帽子の着用 日陰の利用
- こまめな休憩
- 天気のよい日は、日中の外出をできるだけ控える
からだの蓄熱を避けるために

- 通気性のよい、吸湿性・速乾性のある衣服を着用する
- 保冷剤、氷、冷たいタオルなどで、からだを冷やす
スポンサーads
こまめに水分を補給する

室内でも、外出時でも、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分を補給し ましょう。
大量に発汗する状況では、経口補水液※など、塩分等も含んで補給しましょう。
※水に食塩とブドウ糖を溶かしたもの
対応
涼しい場所へ
エアコンが効いている室内や風通しのよい日陰など、涼しい場所へ避難させる。
からだを冷やす
衣服をゆるめ、からだを冷やす
(特に、首の回り、脇の下、足の付け根など)
水分補給
水分・塩分、経口補水液※などを補給する
自力で水が飲めない、意識がない場合は、すぐに救急車を呼びましょう!
繰り返しますが
・熱中症患者のおよそ半数は65歳以上の高齢者
・高齢者は暑さや水分不足に対する感覚機能が低下
・暑さに対するからだの調整機能も低下
・死に至るケースも少なくない
スポンサーads
過去問題(第28回介護福祉士国家試験より)
Aさん(78歳、女性)は、一人暮らしをしている。毎夕食の配食サービスと週2回の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。夏のある日、訪問介護員(ホームヘルパー)が訪ねると、唇が乾燥しており、昨日からの水分摂取はお茶を3杯(450ml 程度)ということであった。排尿回数も少なく、尿の色を尋ねるといつもより濃いと言っていた。
Aさんに勧める飲物として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 温めた牛乳
- 冷たいお茶
- バナナジュース
- 経口補水液
- 野菜ジュース
解答…5
- 温めた牛乳は、脱水予防には効果的であるが、体温を上げる効果がある。すでに脱水症状があるためあまり適切ではない。
- お茶やコーヒーなどの嗜好品は利尿作用があるため、吸収した水分を体外に排出してしまうので、適切とは言えない。
- 栄養価は良いが、吸収が遅い。
- 吸収が早いので、適切である。
- 栄養価は良いが、吸収が遅く、食物繊維を含んでいるので、水分として吸収されずに排出されることもある。
記事の最後に
熱中症による救急搬送人員が昨年、過去最高となっている為、今年も増加するのではないかと思います。
もし、地域で一人暮らしのご高齢の方とお知り合いなら、お声かけ一つで意識されるでしょう。リーフレットを消防庁からダウンロードできるので、配ってあげてもいいのではないかと思います。
施設にいても、我々が注意していないと、取り返しのつかないことになってしまいます。
忙しくて一人ではなかなかできないこともあるかもしれませんが、スタッフ同士で声を掛け合って、予防していきましょう。
介護福祉士 華珠, プロフィール
あわせて読みたい関連記事
スポンサーサーチ
・大幅減量ダイエット
・【早い者勝ち!】 あなたのお名前、残ってる?
おすすめ記事


コメント