「肝炎とは」何か?
症状、原因、治療について「かんたん」にまとめていきます。
介護福祉士国家試験にも出題されることが在ります。
介護の現場でもよく聞きく「肝炎」ですが、一体どんなものなのでしょうか?
かんたんにまとめていきます。
目次
- 肝炎って?
- 介護福祉士国家試験過去問題に挑戦
- 肝炎の原因は?
- 肝炎の種類
- 肝硬変とは?
- 肝がんとは?
- 肝炎の感染源・経路は?
- 介護福祉士国家試験過去問題に再挑戦
- 記事の最後に
肝炎って?

肝炎とは、さまざまな原因で、肝臓の細胞が壊れ、働きが損なわれる病気です。
感染時期が明確でないことや自覚症状がないことが多く、適切な時期に治療を受ける機会がない。
本人が気づかないうちに肝硬変や肝がんへ移行する感染者が多く存在します。
肝炎総合対策推進国民運動事業
介護福祉士国家試験過去問題に挑戦
介護福祉士国家試験第26回 問題73より
肝疾患(liver disease)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 . A型肝炎(hepatitis A)は、輸血後に発症することが多い。
2 . B型肝炎(hepatitis B)は、慢性肝炎(chronic hepatitis)になることはない。
3 . C型肝炎(hepatitis C)は、進行すると、肝硬変(liver cirrhosis)、肝がん(liver cancer)へと病態が変化していくことが多い。
4 . E型肝炎(hepatitis E)は、日本国内のウイルス肝炎(viral hepatitis)の大部分を占める。
5 . アルコール性肝障害(alcoholic liver injury)は、肝硬変(liver cirrhosis)に進行することはない。
解答…3
肝炎の原因は?
肝炎は「お酒を飲んでる人病気だろ」と思ってる方は、まだ多いのではないかと思いますが
原因としてはアルコールや、薬だけではありません。
感染で一番多いのは「ウイルス」です。
肝細胞に感染するウイルスを「肝炎ウイルス」と呼びます。
肝炎の種類

急性肝炎
肝炎ウイルスの感染が原因でおきる。
急性の肝機能障害を起こす。
A型、B型、C型、D型、E型がある。
症状
黄疸、食欲不振、嘔気嘔吐、全身倦怠感、 発熱
傾向・原因 | 治療 |
高齢者には少ない 主な原因:A型、B型 | 安静 黄疸があれば入院 |
慢性肝炎
傾向・原因 | 治療 |
年齢とともに増加 主な原因:C型、B型 | 注射、内服薬で 肝炎を抑え 経過観察をしていく |
B型慢性肝炎
出産時や、乳幼児期に感染すると持続感染に移行します。
生後数年~十数年間は肝炎の発症はない。
一般に10~30才代に一過性に強い肝炎を起こし、 多くの場合肝炎はおさまっていきます
C型肝炎
C型肝炎もほとんどの場合、自覚症状なし。
自覚症状がないまま肝硬変に進行
自覚症状があっても、何となく体がだるいとか、疲れやすいとか、食欲がわかないといった症状になる。
肝硬変とは?

B型やC型肝炎ウイルス感染、アルコール、非アルコール性脂肪性肝炎などによって肝臓に炎症が生じ炎症を修復するときに 肝臓全体が硬くなる。
症状
肝性脳症や黄疸、こむらがえりなど
傾向・原因 | 治療 |
肝炎からの進行 アルコール 非アルコール性 肝がんの合併に注意 | 肝不全の予防 肝がんの治療 |
肝がんとは?

以前はB型・C型肝炎ウイルス感染が原因で生じる肝細胞がんが90%を占めていましたが、今では、メタボリックシンドロームを背景とした非ウイルス性肝細胞がんが増加しています。
肝炎の感染源・経路は?
肝炎ウイルス | 感染源・経路 |
A、E型 | 経口感染 水、食物 |
B、C、D型 | 血液媒介感染 血液、体液 出産時、注射針、性交渉、刺青 |
以上を踏まえて、改めて、過去問題に挑戦してみましょう。
介護福祉士国家試験過去問題に再挑戦
介護福祉士国家試験第26回 問題73より
肝疾患(liver disease)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 . A型肝炎(hepatitis A)は、輸血後に発症することが多い。
2 . B型肝炎(hepatitis B)は、慢性肝炎(chronic hepatitis)になることはない。
3 . C型肝炎(hepatitis C)は、進行すると、肝硬変(liver cirrhosis)、肝がん(liver cancer)へと病態が変化していくことが多い。
4 . E型肝炎(hepatitis E)は、日本国内のウイルス肝炎(viral hepatitis)の大部分を占める。
5 . アルコール性肝障害(alcoholic liver injury)は、肝硬変(liver cirrhosis)に進行することはない。
記事の最後に(まとめ)
肝炎とは、自覚症状がなく、気付かないうちに肝硬変や肝がんに移行していきます。
急性のものであれば、嘔吐や、めまい、発熱、、黄疸などのはっきりした症状が出ますが、自覚症状があっても、なんとなくだるかったりや、食欲がないなあくらいの程度。
健康診断など、定期的な検診が重要です。
感染で一番多いのは「ウイルス」。
急性のものは、A~E型。
慢性のものは、B、C型。
アルコール性肝炎や、非アルコール性のものもあります。
いずれも、肝炎が進行すると、肝硬変、肝がんになってしまいます。
肝がんの主な原因はB、C型肝炎ですが
メタボリックシンドロームによるものも増加している。
感染経路は
A・E型が経口感染で水や食物。
B・C・D型は血液媒介感染で血液や体液。
これだけおさえておけば、肝炎に関していえば、介護福祉士国家試験では大丈夫かと思いますが、改めて分析して、追記があれば、またご報告します。
おまけに
参加型プログラム 誰でも簡単にできる肝炎体操
をご紹介します。
ご入居者様の中には、肝炎を患っていらっしゃる方がいるかと思います。
「肝炎だから出血してたらうつる…」とかいう方がいたりします。気にしすぎて、大騒ぎする人。
気をつける必要はありますが、必要以上に大騒ぎする人…私は、やわらかく言うと苦手です。
どんな病気に対してもそうですが
正しい知識と理解をもって、偏見をなくす必要があります。
介護士だからとかはもちろん関係なく。
介護士としての役割は、正しい知識を広め、たくさんの方に理解してもらい、偏見をなくすことだと考えます。
偏見の事だけでなく、肝炎の特徴である
「気付きにくい」という点。
繰り返しますけど、「健診面倒だな」ではなく、定期的に受けてください。
自分の為にも、家族や、大事な人の為にも。
さらに知識を深めたい方は、私が参考にしたページを読んでいただければと思います。
参考ページ
厚生労働省HP
「肝炎総合対策の推進」
「知って、肝炎」
肝炎情報センターHP
「高齢者施設における肝炎対策のガイドライン」
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